現代の寺

昨日、京都地裁は寺に対して4200万円の支払いを命じる判決を出した。  

寺の運営する宿泊施設の料理長が2012年8月より鬱の診断を受け、休業していたのだが、認定を受ける前の年間労働日数は356日に及んでいたという。

その期間の未払い賃金などの(恐らく精神的・肉体的苦痛などの損害に対するものもあるだろう)賠償責任を京都地裁が認めたのだ。
4200万円もの請求が原告に対して認められるのは、その金額より相当過酷な内容だったのだと推測できる。

もっとも、現時点では、一審での判決であり、寺側は控訴を検討しているとのことだが、認められる証拠が揃っていたという点で、すごくショックを受けた。

過酷な労働に対して、損害賠償を認める判決って最近良く目にする機会がある。

所謂ブラック企業に勤めてしまった方々が訴えた裁判。

でも、まさか、仏道を継承する寺がそんな環境を作りあげてしまっていたなんて、思いもしなかった。

いや、元々、法人格を得ている時点でバリバリの資本主義化していたのだろうけど、それにしてもこんな形でマスコミに報道されるのは、京都の寺社仏閣の全体イメージのダウンも免れない。

もっとも、実際に被害に遭われた方が一番辛いのだが。。

なんというか、仏道を選んで、その道を真面目に精進している方からしたら、この事件は冒涜以外のなにものでもない様な気がする。
勿論、人道的な観点からも。

すごく残念な思いがした。

この時代、組織が完全なピラミッド型になるのは仕方がないとしても、少なくとも、働いている方の労働環境を管理し、気持ち良い職場にするのが最低限の勤めだと思う。

さまざまな思惑が渦巻いている。

人間には108の煩悩があると何処かで聞いたことがある。

はて、どこの教義だったか。

開祖は現代でのこの事件を聞いてどう思うだろうか。。